企業はそれでもなんとか生産増強を実現しようとして労働力の確保に懸命になった。日本の企業はこのバブル時代以前にはしばらくの間、人の採用にはきわめて慎重だった。人は雇えば、目本の一服用制度の下では、長い時間かけて大切にしてゆく慣行があるから、事実上の固定費が嵩むことになる。バブル時代以前の成長の低迷期には先行きの見通しが不透明だったから、企業は人の採用は手控えていたのである。多少需要がふえてもそれは残
企業社会の特徴的な「横ならび意識」が働く... の続きを読む
Kさんは自問自答した。思えば自分もA社を「特殊な会社」と言い続けてきた。だが、確たる根拠があったわけではなく、周りがそう言うから自分もA社は特殊なのだと思いこむようになっていた。すると、面接した企業の人事達も、普通の会社を特殊だと思いこんでいるだけではないのか?それとも本当に変わった会社なのか?そもそも、A社は本当に「特殊な会社」だったのか?どの会社も自分たちを「特殊な会社」と主張する意味では、普
相性が合った会社を選ぶことが大切... の続きを読む
O氏は現在、人材紹介会社を介して転職活動中だ。もちろん、そのことは会社の誰にも打ち明けていない。知っているのは妻だけだ。きっかけは上司に言われたひと言だった。「早く家を買えと言われたんです。で、自行でローンを組めと。銀行ではふつうのことですよ。父も、そしておそらく祖父もそうしたはずです。でも、妻は大反対しましたね。いまどき何様のつもりだ、余計なお世話だって」。銀行にとって、従業員は社会でも群を抜い
三三歳で自分探し... の続きを読む
労働者の賃金のうちで大きな比重を占める本人給は学歴と勤続年数にリンクしている。学歴は入社してからは変わらないが、勤続年数は年々増えてゆく。定期昇給制度はこの勤続年数の増加に応じて本人給の賃金率を高めてゆく制度である。本人給の賃金串は事実上賃金体系の他の構成要素にも連動している場合が多いから、こうした定期昇給制度は労働者個々人にとっては年々かなりの昇給になる。賃金体系の設計や運用のしかたによっても違
従業員の企業忠誠心を確保する... の続きを読む
電話の取り方と転送の方法、来客への応対の仕方、PCと社内のネットワーク、コピー機、FAXなどの使い方といった、日常の仕事で関わることの多いものについては、入社して間もなくの間に、まとめて覚えてしまうと、日常のストレスが減る。たとえば、電話の転送方法をなかなか覚えていないという状態は、周囲の人に対して、仕事または新しい職場への無関心ないしは消極性をさらすことにもつながるので、好ましくない。また、転職
日常の仕事はすぐ覚える... の続きを読む
新規労働力の供給総量はそれほど変わらないのに採用計画の大幅な拡大によって需要がいきなり大幅に増加したから新規学卒者など若年労働力の需給は一気に逼迫し、日本の産業界は厳しい若年労働力不足に直面することになった。労働力需要総量の増大はそれほど大きくはなかったが、需要増加がもっぱら新規学卒者に集中したため労働力不足が極端に増幅して見えたのである。ところがそのバブルがやがて崩壊したため、需要の力強い増加基
日本の産業界は厳しい若年労働力不足に直面... の続きを読む
リスクは、ある。もちろん、Kさんが会社を辞めることで収入がなくなってしまうこともあるが、収入源を断ってまで試験勉強をしたとて、必ず合格するという保証はない。資格が取れれば、その後の道が開ける可能性はじゅうぶんあると思われたが、すべては未知数なのである。が、そんな中でもKさんはソフトハウスを退職し、試験勉強に専念する道を選んだ。その後、Kさんは1ヵ月に一回ほどの頻度で、我々の元を訪れた。Tやはり、再
試験勉強に専念する道... の続きを読む
男性とは異なる女性に対する規制の根拠については、(1)女性は体力・知力に欠けるからより手厚い保護が必要だ、(2)女性については母性保護のために男性より厳しい労働条件規制が必要だ、(3)女性は家族的責任を負担しているからそれを考慮した労働時間規制が必要だ、という見解が唱えられていた。しかし、(1)については女性に対する根拠のない偏見・固定観念に基づくもので合理的な根拠とはなりえず、(2)については、
男性とは異なる女性に対する規制の根拠... の続きを読む
パートなどの非正規労働者に対する均等待遇保障に日本が消極的な理由として、日本では同一価値労働同一賃金原則が公序になっているとはいえないからだという見解もある。同一価値労働同一賃金原則は、ILO一〇〇号条約に定められている原則で、一般的には、異なる仕事(職種・職務)であっても、価値が同一・同等であれば同一の賃金の支払いを求めるというものであると考えられている。これは、男女間の賃金格差の根拠とされる「
同一価値労働同一賃金原則... の続きを読む
学生、企業、大学、家庭、それぞれが主体的に自分にできることを実行して役割を果たしていけば、就職と採用の問題を解決することができるはずだ。学生が主体的に変わっていくことに大いに期待しているが、この問題の解決には、企業ではビジネスパーソンであり、家庭では親である社会人一人ひとりの役割がとても重要だ。社会人一人ひとりが、親戚、地域、友人などのつながりの中で、身近な若者や子供たちと積極的に対話していくこと
キャリア教育が自然な形で行われる社会を創っていきた... の続きを読む
新事業の中には機械工業系のほか、フード、メディカル、DTP関連など、ミスミがこれまで中核に位置づけてきた金型、FA機器関連とはかなりちがった分野のものもある。ミスミのコンセプトやインフラを生かしながら新規事業を展開するために新しく起こしたチームだが、昨年二つの事業が黒字を達成し、さらに今年もう一つの黒字転換が確実視されている。「専門的な市場に参入する時、その市場に詳しい人が社内にいなければ、外部か
組織の枠を越えた流動化をすすめる... の続きを読む
戦後の雇用政策の基本は正社員−終身雇用−企業の三つを中心に形成されてきた。日本では中小企業が多いことを考えると、安定した終身雇用制度に守られてきたのはごく一部の大企業正社員だけということになるが、右肩上がりの経済成長や大企業、中小企業の下請関係などが不安定さを緩和した。それに対して、政府はその体制を後押しして、企業ができるだけ雇用を抱えることができるようにサポートしてきた。もちろん、政府が戦後一貫
戦後の雇用政策の移り変わり... の続きを読む